2012年08月03日

北穂高岳

またまた来ました上高地

10日ほど前から風邪ぎみでしたが、ここは空気がいいのです。

喉の奥のエヘン虫が少なくなりました。


まずは山歩きには不要な荷物を三日後にお世話になる旅館に預けて、

横尾までのダラダラ歩きの3時間。

自然の中を梓川に沿ってひたすら歩くのですが、山道ではないので余計疲れます。

帰りもこの道を通るのかと思うといやになります。


4年前奥穂高の帰りはこの同じ道を雷ゴロゴロ、雨じゃんじゃん降りの中を

全身ぐちょぐちょになりながら2時間歩き続けた嫌な思いがよみがえります。


早く標高を稼ぎたい一心で歩いて4時間あまり、

本谷橋を過ぎたあたりから、やっとこさ山の中に入った感覚、

雪渓を渡ったら、ようやく 涸沢 到着です。

北穂高岳

4年前より雪の量は少ないようです。 


快晴です。

北穂高岳

 
写真では表現できないスケール、ここを見ただけで満足して帰る人達も多くいるのでしょうね。

それだけの価値はあります。


涸沢ヒュッテ 4年前と同じところ、4人部屋に7人詰め込み。

敷布団の境目に当たってしまった寝相の悪いるくパパなので、

布団のクレバスだか活断層がすぐに広がって寝苦しいこと、

それでも4時間は寝たかな、山小屋でこれだけ寝れたら御の字です。


8月4日

涸沢カールのモルゲンロート

北穂高岳

いざ、北穂高岳 へ向けて出発

天気が良すぎて暑いのです。

下界に比べりゃ天国かも知れませんが、全身汗びっしょり。

汗が目に入ってたまりません。

北穂高岳

「南稜」、奥穂高に行く時の「ザイテングラード」よりもきついコースです。


知的な風貌の20代後半とみえる女性とすれ違いました。

テント泊しながら奥穂から来たとのこと、

『途中は大変でしたぁ』 とにこやかに報告、

一人りですか、の問いかけに 『ええ、ソロ です』

なかなか、こんな言葉でないよなぁ、

カッコ良すぎますヨ、負けました。

別れぎわのもう一言、

『今日の頂上には素晴らしい眺めが待ってますよー

それと最高に美味しいビールもネ』 iconN23

完全に我々オッサンの心、読まれていました。 完敗です。

北穂高岳

頂上小屋のおいしいビールを目当てにひたすら登り続け、とうちゃーく!頂上。

北穂高岳

バーンと眼に飛び込んでくる「槍ケ岳」・「大キレット」、すばらしい眺め、

ビールの事なんか忘れてしまいました。


途中でお会いしました 「雷鳥さん」 

他に雛が二羽いたのですが草むらから出てきません。

北穂高岳

「富士山」 は恥ずかしがらずに、しっかりお姿を見せてくれました。

北穂高岳

テレビの映像で何回も見ていた 北穂高小屋、

あまり大きくはありません、まったくの頂上直下に建てられているのです。

ここも4枚のフトンに6人。

就寝時(といってもまだ明るい7時頃)にはガスが出てきて槍ケ岳はお隠れに。

北穂高岳

明日の天気を願いつつ、又々活断層ぶとんの上で〝グー〟

夜中1時過ぎに暑くて目を覚ましました。

換気のために窓を開け、新鮮な空気を吸いに屋外へ、

月明かりで槍ヶ岳はじめ周辺の山々がくっきりと、幻想的です。

写真には撮れないので目と心にしっかり焼き付けました。


さてさて、朝日もしっかり出てきてくれました。 常念岳です

北穂高岳

皆さんご来光に目を奪われがちですが、周辺の山々のモルゲンロートがいいのです。

北穂高岳
 



8月5日 

北穂高岳 6時10分下山開始直後です。歩き始めて15分もたっていなかったと思います。

後方で叫び声が、振り返ると、人が落ちてくるのが見えました。

《滑落》 です、最初は岩場を滑るように、次は身体が横になったのか丸まったのか、

ボールが階段をテンテンと落ちてくるように次第にバウンドが大きくなり、

岩場の最後は遠心力のせいか、手足が思いっきり伸びきり大の字になって横転、そして雪渓に落下。

あとはバウンドはなく、滑るか転がるように雪渓を下っていきました。

そのうち岩陰に隠れてこちらからは目視できないところへ。


ほんの数秒のショッキングな出来事、 “見てしもたぁ!!”

行ける所まで近づいたのですが、どこまで落ちたかは確認できませんでした。

滑落現場より上にいた人は頂上小屋に連絡に走ってくれていたようです。

我々のすぐ近くにいた若者にお願いして携帯で警察に連絡。 (最近は頂上近くでは電波が入るのです)

そうこうしていると滑落者の同行者と名のる男性が来られました。

名前や年齢などを携帯の若者に教えていました。

滑落者 男性、63才だそうです。

北穂高岳

事故現場の近くにいた 「雷鳥」 彼女も目撃者?

奥に見える雪渓に落ちていったのです。

我々はどうすることも出来ないので、下山再開。

1時間ほどして県警のヘリコプターが回収し、

涸沢のヘリポートにいったん着陸後、すぐに離陸していきました。 

涸沢ヒュッテに到着、さっきの携帯の若者に会ったので聞いてみると

やはり助からなかったとの情報。


翌日の新聞では100mの滑落、即死。

3人パーティで槍ケ岳から北穂高岳、涸沢、上高地への下山予定だったとか。



涸沢から横尾への下山途中ですれ違った山岳警備の二人組、

一人が 『あれぇ、先週、西穂高登ってられませんでしたぁ?』

そうです、西穂高の頂上で出合った二人の内の一人。

北穂高岳

「山って狭いのねェ、それとも、僕って有名人? 待てよ、警察にマークされてるのか?」


北穂高岳

色々ドラマがありました。 

メンバー全員無事下山で 風呂(温泉)・食事・ビールが最高のエピローグです。



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Posted by るく at 00:00│Comments(1)山歩き
この記事へのコメント
お帰りなさい!

全員、無事下山出来て良かったです!

素晴らしいお天気で、写真で楽しませて頂きました。

滑落、直ぐそばでそんな光景を見たら、ホント危険と隣同士なんだと、

考えさせられますね。
Posted by 大野 賀代 at 2012年08月09日 22:30
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